なりさん晩秋の季節、車で北海道を走っていると黄金に変色した針葉樹が並んでいてキレイんやけど、この木は植林?種類と用途と理由を教えて。
それはカラマツでほぼほぼ間違いない。北海道の針葉樹は「赤くならない系」が多い。
針葉樹にも種類があって、落葉する針葉樹 → カラマツ(黄色)。常緑の針葉樹 → トドマツ、エゾマツ(少し茶色くなるだけ)というラインナップが主流。
特にカラマツの黄葉は北海道の秋の象徴で、山全体が金色になる。逆に、赤くなる針葉樹はほぼ存在しないので、赤に染まることはない。
そして、それらは明治以降に植林されていったものになる。順を追って説明していこう。
北海道で唯一といっていい“成長の早い針葉樹”だったから
開拓期の北海道は
・寒さに強い
・痩せた土地でも育つ
・成長が早い(15〜20年で利用可能)
という木が求められた。
その条件を全部満たしたのがカラマツだった。
広葉樹は成長が遅すぎる。
トドマツやエゾマツは風に弱かったり、用途が限られたり。
その中でカラマツは「万能で育てやすい木」として評価された。
北海道でカラマツは超重要な“経済の木”やった。
用途は時代ごとに変わっていくけど、主に下の5つが柱。
鉄道の枕木(明治〜昭和)
カラマツが大増殖した最大の理由。
- 硬くて強い
- 真っすぐ伸びる
- 加工しやすい
- 乾燥すると耐久性が高い
- ある程度しなる(衝撃を吸収)
特に北海道は鉄道路線を鬼のように敷いたので枕木の需要がめちゃくちゃ高かった。
十勝も鉄道網の発達が早く、枕木を供給するために国有林&民有林で大量に植えられた。
防風林(特に十勝)
これ、十勝の景観を作った最大の要素。
- 平野が広い
- 風が強い(特に中札内〜更別)
- 乾燥が厳しい
こういう環境を守るには
根が強く、真っ直ぐ育ち、防風林に向くカラマツが最適。
農地の四方に植えて
「畑を風害から守る壁」として大活躍。
→ 今の帯広〜中札内の“黄金の防風林”はこの名残。
建材(家の梁・倉庫・馬屋など)
カラマツ材は
- 強度が高い
- 釘抜けが起きにくい
- 弾力がある
- 水に比較的強い
この性質が、寒冷地の建物とめちゃ相性が良かった。
よく使われた場所
- 住宅の梁・柱
- 馬屋(ばんば農耕時代の必須建物)
- 倉庫・納屋
- 農機具小屋
- サイロ周辺の木材
特に戦後の復興期は
カラマツは安くて丈夫な“庶民の建材”として使われた。
電柱・牧柵・杭
北海道の広大な土地には欠かせない用途。
■ 電柱
昔の農地に立ってる木製電柱は
カラマツ製が多かった。
理由は
- 真っすぐ
- 強い
- 腐りにくい
から。
■ 牧柵・杭
広大な牧草地帯にひたすら杭を打ち込む必要がある
→ 弱い木では話にならない
→ カラマツが超適任。
道東・十勝の風景の裏側には、必ずカラマツがある。
パルプ(紙)
後半戦(昭和中期〜)からは 紙の原料 としても大量に使われた。
北海道の製紙工場(苫小牧、旭川など)はカラマツ・トドマツ・エゾマツを大量に買い取って紙の原料として加工していた。
枕木需要が減った後の“第二の出口”やね。
まとめ
カラマツは、北海道の開拓〜高度成長期の万能木材。
特に十勝では:
- 防風林
- 建材
- 電柱・杭
- 枕木
として、地域の基盤を支えてきた。
だから十勝の景色をつくった木=カラマツなんよな。


参考・参照リンク(北海道開拓史)
※本カテゴリの記事は上記の史料・展示情報を参考に再構成しています。

